ハーブ・アロマで手作りする入浴剤:松の葉の入浴剤を作る。市販の入浴剤と比較する。

 今回は、当サイトで所有してる宮城県蔵王町の農場の周囲に植えられているアカマツの葉で入浴剤を作ります。松葉風呂は日本ではなじみがないかもしれませんが、ヨーロッパでは昔から松葉油(パインニードルオイル)が入浴剤として使われており、温泉療法で知られているクナイプ療法の入浴剤としてもお馴染みです。ネットで検索して見つけた、松葉の成分を使用した市販の入浴剤も紹介します。
 
ハーブ・アロマで手作りする入浴剤:松の葉の入浴剤を作る。市販の入浴剤と比較する。

ハーブ・アロマで手作りする入浴剤:松の葉の入浴剤を作る。市販の入浴剤と比較する。


 

目次

1.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤の作り方
2.市販の入浴剤について
3.市販の入浴剤を試す。
4.ハーブ・アロマで手作りするいろいろな入浴剤

1.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤の作り方

ー松の葉の入浴剤(1回分)

 


 

•材料(全身浴 1回分)  

マツの葉   40g、
熱湯やかん   1杯。
 

•作り方 

①マツの葉を収穫し。ハサミなどで短くします。
 

 
*松の葉は羽先がとがってチクチクするので、パックなどに入れると良いです。パックに詰めやすい長さに短くします。
 
②マツの葉を洗い、お茶パックなどに入れます
 

 
*一回あたりの使用量をどのくらいにしたら良いのか気になるものです。”薬湯:大海淳著”では200〜250g、一方メディカルハーブ協会の本では40gと幅がありますが、今回はお試しのため、20gとしてみました。
 
 
③熱湯をそ注ぎ、ふたをします。

 
*下記に記載したように、一般的な使用法には浸剤(お湯に直接浸して抽出する。)方法と、煎剤(ナベで煮出す。)方法とがあります。今回はその中間の、あらかじめ熱湯に浸す(浸剤)方法をとってみました。
 
④入浴時にこのまま湯に入れます。

 

・利用後の感想

 今回はお試しの少量の使用のためあまり肌などへの刺激などは感じませんでした。意外に松の葉の甘い香りを少し感じました。次回は、量を増やして、煎剤(葉を煎じる)で試してみたいと思います。
 

・材料(松の葉)について


 マツの種類は世界中でたくさんありますが、日本でマツといえば普通はアカマツとクロマツをさします。アカマツは、樹皮が赤く、葉が細くて長く柔らかいので女松というのに対して、クロマツは樹皮が灰黒色で、葉は硬くて男性的な感じのすることから男松と呼ばれています。アカマツは主に山地などで見られるのに対して、クロマツは、海岸などで防風林や防砂林として利用されています。
 入浴用としてはアカマツ、クロマツとも利用さできます。その他、同じマツ科マツ族の、ハイマツ、チョウセンマツ、ゴヨウマツ、リュウキュウマツ、またカラマツ属のカラマツやダイマツ、ヒマラヤスギ属のヒマラヤスギなども、入浴剤として利用できる。、と”薬湯:大海淳著”には記載されています。
 また、同著には、精神的な安定やストレス解消、保湿による神経痛や腰痛などに効果があると記載されています。
 
*一般的な利用法
 葉を採取して、水洗いしてからそのまま用います。
 利用方法としては、
 ①生葉をそのまま袋に詰めて沸かした浴槽にひたす。(一般的な薬湯湯の方法)
 ②水をはったナベに分量の生葉を入れて濃いめに煎じ、その煎じ汁を風呂に注ぐ。
方法があります。
 注意:枝には松ヤニなどの樹脂分が強いため湯がべとつきます。必ず葉だけを用いましょう。
 また、一回の使用量については、200g〜250gと、上記著には記載されてました。
 
*松の葉の成分
 ジベンテン、リモネン、フェランドレン、ボルネオールなど10種類の精油を含んでいます。(よくきく薬草風呂:池田好子著)
 近縁種にヨーロッパアカマツがあり、その精油はパインとして一般に市販されています。

 2.市販の入浴剤について


 

(1)入浴剤の歴史

 お風呂が大好きな日本人にお馴染みの入浴剤の市場規模は、現在約500億円と言われています。家庭でお風呂が普及した高度成長時代に急成長しバブル期の1991年には約700億円にまで達した市場規模ですが、その後安定して今の規模を維持しています。
 ちなみに、洗顔用の石鹸の市場規模は約2000億(日本石鹸洗剤工業会統計2019年による)なのでその約1/4程度の規模であることになります。
 弘法大師にさかのぼるとされる薬湯の古い歴史を持つ日本ですが、その家庭用の入浴剤の歴史は意外と新しく、商品としての入浴剤の第1号は、明治30年の津村順天堂(現バスクリン)の薬用中将湯といわれています。これには当時発売されていた婦人薬の生産時に出る残りカスを「もったいないから」と持って帰っれをお風呂に入れたところ、効果があったのでこの効果をウリにして銭湯に販売したところ、たちまち噂が広がり、巷の銭湯から注文が殺到したのが始まりといわれています。
 その後1970年代の高度成長期には、芳香浴剤のバスクリンが大人気を集め、市場が急拡大しました。1980年代になると、シュワっと泡が出て現代でも人気の発泡系入浴剤や、手軽に家庭で温泉気分があじわえる温泉系の入浴剤が登場し現在に至っています。
 

(2)市販の入浴剤の分類

 市販の入浴剤は、それに含まれる成分や効果の別によって①化粧品、②医薬部外品、③雑貨、という3つのグループに分類されています。
 これはその入浴剤を用いて入浴することによって、人体に与える効果を、薬機法(旧・薬事法)に基づいて分類したものです。
 一般に販売されている入浴剤は①化粧品か②医薬部外品がほとんどで、箱や袋などの外装にその類別および成分を正しく表示することが義務付けられています。製造するためには、製造許可が必要となります。
 それに対して③雑貨は、例えば温泉で売られている湯の花やヒノキのボールなどで、その効果も有害性もはっきり証明できないもので、①や②のような表示義務はなく、製造許可も必要ありません。
 

(3)市販の入浴剤の種類と効果

 市販されている入浴剤には様々な成分が含まれていますが、大きく4つのグループに分けられます。以下に紹介します。
 
①無機塩累系入浴剤
 硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなどを主成分とする入浴剤です。
 各地の温泉名をつけた入浴剤bの多くがこの系統で、それぞれの温泉成分を応用し、さらに香りや色で温泉らしい雰囲気を高めています。
 入浴後の保湿効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。
 
*今回の入浴剤はこのタイプです。
 
②炭酸ガス系入浴剤
 炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸などを組み合わせて炭酸ガスを発泡させる入浴剤です。いわゆる泡の出る入浴剤です。
 このグループの入浴剤は、炭酸ガスの血管拡張効果を利用しているのが特徴です。血管が拡張して血液量が増大し、身体の芯まで温まります。
 
③生薬系入浴剤
 センキョウ、トウキ、ヨモギ、ウイキョウなど薬用植物の生薬を配合したものです。生薬にふくまれている有効成分の効果が期待できます。
 市販の入浴剤の中では、本Webで紹介している手作りの入浴剤にもっとも近いものです。
  
④酵素系入浴剤
 たんぱく質分解酵素、パパイン、パングレアチンなどの酵素を配合したものです。酵素を入浴剤に配合することにより、皮膚に無理な刺激を与えることなくきれいにしながら、入浴効果を高めるのがこの入浴剤の特徴です。
 このグループの入浴剤を使用すると、清潔でなめらかな使用感があります。

3.市販の入浴剤を試す。

 今回、松の葉の入浴剤でご紹介するのは、乾卯栄養化学さんの、薬用オンセンスです。乾卯さんは大阪の入浴剤のメーカーさんです。
  Webサイトはこちらです。https://inuiu.co.jp
 

(1)商品情報 

 80年の歴史を持つ入浴剤です。
 オンセンスは、保温効果が高く真水の刺激をやわらげる無機塩類をベースに、皮膚に微刺激を与え、より温浴効果を高める松の精油を配合。
昭和8年創製時より今日までの長きにわたる実績と信頼のもと、ご自宅での健康づくりの一助として、またリハビリテーションの現場では水治療法に使用されております。
 (メーカーwebサイト商品ページより)
 
 
 
今回試したのは、10袋のお試しセットです。(1回分25g)
 パッケージには医薬部外品と表示され、
*効能
・神経痛・リウマチ・うちみ・くじき・疲労回復・荒れ性・あせも・にきび・あかぎれ
・しもやけ・しっしん
*成分名
 塩化Na 炭酸水素Na ホウ砂 無水硫酸Na テレピン油 γ-オリザノール 香料 黄202(1)
と記載されていました。
  *テレピン油はマツの精油です。
 

 
 
湯船に投入すると黄緑色です。
 

 
 

(2)使用後の感想

 ちょっと甘い香りは、手作りした松の葉の入浴剤に近いような気がしました。アマゾンのレビューでは、肌にピリッと刺激があるように書かれていましたが、肌触りも滑らかで気になりませんでした。体が温まったような感じでした。
 
今回の入浴剤は無機塩類タイプの入浴剤に分類され、入浴後の保湿効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。
  
以下はアマゾンの商品サイトです。
 

 
 

4.ハーブ・アロマで手作りするいろいろな入浴剤

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