ハーブ・アロマで手作りする入浴剤:ローズレッドの赤ワイン風呂。

  バラはその姿、香りとともに人々に愛され、鑑賞したり香りを楽しむだけでなく、食用や薬用としても昔から利用されてきました。バラの花びらは、ワインやサラダの香りづけ、香水や軟膏などにも利用されています。今回はそのバラの花の中でも強い香りと風味を持つ、赤いバラの花びらをワインで浸出させて、入浴剤をつくります。
 
ハーブ・アロマで手作りする入浴剤:ローズレッドの赤ワイン風呂。

ハーブ・アロマ手作り入浴剤:ローズレッドの赤ワイン風呂。


 

 目次

1.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤に使用する材料
(1)基材
(2)ハーブ
(3)精油
2.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤の作り方
3.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤を作る上でのポイント
4.ハーブ・アロマで手作りするいろいろな入浴剤
 

1.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤に使用する材料

  入浴剤作るために必要な材料は、ベースとなる基材と香りや色付のための精油ハーブです。
 代表的な基材にソルトやシュガー、重曹などがあります。この基本の材料に精油やハーブを加えることによりいろいろな入浴剤を作ることができます。 
 今回は、基材としてワインを使います。ワインはむかしから入浴としてもつかわれていたといわれています。
 


  •  

 (1)基材

 アロマオイル(精油)は植物の芳香成分だけを集めて取りだしており、そのまま使うと刺激が強いため薄めて使用します。精油を希釈し、入浴剤のもとになる物質を『基材』といいます。基材にはそれぞれの特徴があり、さまざまな特性や作用をもっています。それぞれの性質を十分理解し、使用目的や体調・体質に適したものを選びましょう。
 今回使用する基材はワインとハチミツです。
 
①ワイン  
「ワイン風呂」とは、ビタミンとポリフェノールをたっぷり含んだワインをお風呂にそのまま流し入れた入浴法のことです。肌をすべすべにしたり、保湿効果を高めたり、美容ケアに最適とされています。
 キャサリン・カナー著のザ・ブック・オブ・バスにも記載されていて、ある国の女王(クレオパトラ?)の美しさの秘訣はワイン風呂を利用していたといわれています。
  霜川忠正著化粧品有効成分ハンドブックには、『ワインはポリフェノールが含まれていて抗酸化作用があり、赤ワインは皮と種に多いポリフェノールを豊富に含んでいる。ポリフェノールは化粧品の原料などとしても注目されている。』と、記載されていました。
 ただし、ワインはアルコールが含まれているので、注意を守って入浴しましょう。
 
②ハチミツ
 ハチミツは、ミツバチが花から集めてきて巣に蓄えた蜜です。淡黄色から褐色の粘りけの強い液体です。大部分が果糖とぶどう糖で、甘く、栄養価が高いため、食用や薬用として広く利用されています。美容用やアロマクラフトの基材としても、入浴剤やパック剤などに利用されています。

(2)ハーブその他

 ハーブとは芳香植物(香りのあるあ植物)のことです。ハーブは生(フレッシュ)で、またはドライ(乾燥したもの)で、入浴剤として利用できます。今回は、ハーブを直接入浴剤として使用するのではなく、成分を浸出させたハーブ薬を作って利用します。
  

 
①ハーブ薬
 ハーブ薬は、芳香植物(ハーブ)をオイルや、アルコール、お湯などで浸出することにより、その薬効成分を取り出したものです。浸出油、チンキ剤などは手軽に作れて、昔から民間療法に利用されてきました。これらを目的に合わせて上手に使うことで、作るアロマクラフトに豊かな植物の香りと効果を加えることができます。
 今回はワインにハーブを漬け込みますのでチンキとしての利用です。
 今回使用するのは ローズレッドです。
 
○ローズレッド
 今回つかうバラはローズレッド(Rosa gallica)です。ロザ・ガリカ(Rosa gallica)種のバラは、別名”薬やさんのバラ”とも言われ、昔から薬用としてつかわれてきました。バラには様々な作用があり、とくに女性とって有効だといわれています。

(3)アロマオイル(精油)

 入浴剤を作る目的や自分の好みにあわせて、アロマオイル(精油)を選びます。今回はバラの入浴剤のアクセントとして使用しています。
  

 
1)精油とは?
 精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。
 精油1kgを得るために、ラベンダーなら花穂を100~200kg、ローズなら花を3~5トン も必要とします。
大量の原料植物から、ほんの少ししか採れない貴重なエッセンスです。
  
2)今回使用する精油
 今回使用する精油は ローズマリーです。
 ローズマリーは古くから”若返りのハーブ”として知られています。
 今回は、入浴剤の香りにアクセントを与え、また、アロマテラピーの歴史などに登場するハンガリアンウォーターの効果を期待して使用してみました。
 
*ハンガリアンウォーター
 14世紀の中世ヨーロッパ時代、ハンガリーの王妃であるエリザベート1世は70歳という高齢に加えリウマチかあるいは現代でいう痛風に悩まされていました。そんな王妃のためにイタリア修道院から、ローズマリーをアルコールに漬け蒸留されたものが献上されました。
 エリザベート1世はその蒸留水をえらく気に入り、使用を続けたところ、この魔法のような蒸留水のおかげで元気と若々しさを取り戻し、72歳のときに20歳のポーランド王子様にプロポーズされたと言われています。
 この魔法のような蒸留水こそがハンガリアンウォーター(若返りの水)の始まりとされています。
①.ローズマリー
  ”若返りのハーブ”として有名なローズマリーからとれる精油です。ローズマリーは長い歴史があり、非常に多くの逸話があります。そのすっきりした香りは、脳を活性化し、集中力を高めるとされています。

 

2.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤の作り方

ーローズレッドの赤ワイン風呂。


 

•材料(全身浴 1回分)  

赤ワイン           200ml
ハーブ、スパイス    
    バラの花びら(ローズレッド)  10g
    フレッシュなローズマリーの花枝 (少々 お好みで)
 
 はちみつ                                         大さじ1
 精油  
  ローズマリー  1滴
 保存瓶 ビーカー かくはん棒
 

•作り方 

バラの花びらをはかり、保存容器にいれてワインを注ぎます。蓋をしてしばらくそのままにします。
 
しばらく浸したあと、容器を下に置いて、入浴剤のハーブをいれる袋などに浸したバラをいれて最後に浸した液をとうします。
 
③袋の口をリボンなどでしめます。
 
 
④はちみつとローズマリー精油をあわせます。
 
⑤まず浴槽にバラがはいった袋と浸した液をいれてよくかきまぜ、浴槽に入ります。
しばらくしたら、ローズマリー精油を合わせたはちみつを浴槽にいれます。良くかき混ぜまた浴槽に入ります。
 

・使用後の感想

 
バラと赤ワインの香りが穏やかです。ローズマリーの香りも楽しめます。入浴後、体も温り少々すっきりした感じもしました。またバラ、赤ワインをつかってつくっていきます。

3.ハーブ・アロマで手作りする入浴剤を作る上でのポイント

(1)加える精油の分量について

 精油(エッセンシャルオイル)は植物の成分を濃縮しているため、皮膚に使用する際は、原液では刺激が強いため、植物湯などで希釈して(薄めて)して使用することが大切です。いい香りだからだと、多く入れるぎてしまうとその刺激で体に悪影響が出てしまうことがあります。個人差や使用法によりその刺激の程度は様々ですが、日本アロマ環境協会では、入浴剤としてお風呂での全身浴に使用する場合は1〜5滴、ハンドバスやフットバスなどの部分浴の場合は1〜2滴を推奨しています。
 通常の精油瓶には口にドロッパーが付いていて、精油が適量しか出ないようになっています。精油瓶をゆっくり傾けていくとポトッと1滴落ちますが、その分量はだいたい0.05mlです。
 
 *精油瓶にドロッパーが付いていない場合はミニスポイトなどを使用します。ミニスポイト1滴はドロッパー1滴の約半分です。
 
今回使用する量
  今回は香りのアクセントしての使用なので、滴だけ加えています。
 

(2)精油を加える時のポイント

 精油瓶はゆっくり傾けてポトッと1滴落とすのがポイントです。粘性の高い精油の場合は特に落ちにくいので、じっくり待つことが必要ですが、それでも落ちない時は精油瓶の底をポンポンと指で叩いてみると良いでしょう。
 慌てて瓶を振ってだそうとすると、どっとでてしまうことがあるので注意しましょう。
 

(3)入浴剤を使うときの注意事項

 ・作ったら、なるべく早く使いましょう。
 ・浴槽によっては使用できない場合があります。
 ・使用後の湯は捨て、洗濯などに使用しないでください。
 
 
 

4.ハーブ・アロマで手作りするいろいろな入浴剤

(1)基本の入浴剤の作り方

 ハーブ、アロマで手作りする入浴剤の基本的な作り方です。動画もあります。

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