ハーブ手作り:新緑色のハーブ石けんをつくる。
ネトルパウダー、パルマローザ精油、シダーウッド・バージニア精油をつかう。
今回は、そんなネトルパウダーを使用した、桜餅をイメージした鮮やかな緑色のハーブ石けんのレシピの紹介です。
ハーブ手作り:新緑色のハーブ石けんをつくる。
目次
1.手作りせっけん(手ごね石けん)作りに必要な材料
(1)基材
(2)精油
(3)ハーブその他
2.使用する器具
3.新緑色のハーブせっけんの作り方
4.手練りせっけんを作る上でのポイント
5.その他せっけんの記事
1.手作り石けん(てごねせっけん)作りに必要な材料
手練り石けんに必要な材料は、ベースとなる石けん素地と香りや色付のための精油やハーブや顔料です。
今回は水を加えてこねるだけでできあがるセッケン素と精油(アロマオイル)、色付け、飾りにはハーブパウダーやドライハーブを使います。
(1)基材
お湯を加えて混ぜ練って作る植物性の石けん素地です。お好みの精油やハーブなどを加えてセッケンを作ることができます。今回使用するのは、無香料、無着色の植物性洗浄成分を使用した石けん素地です。
2)精製水
せっけん素地に加える水は普通の水道水でもかまいませんが、今回は精製水を使用します。精製水は不純物が極めて少ない純度の高い水として薬局で売られています。一般の水道水に含まれている塩素系の消毒剤が含まれていないので、医療や美容の目的に利用されています。
日常で精製水を使用する場合は使用期限に注意することが必要です。直射日光のあたらない冷暗所(冷蔵庫)などに保管し、使用期限内でも開封後はすみやかに使用しましょう。
3)ハチミツ
ハチミツはミツバチによって花のミツからつくられる、非常甘くておいしい物質です。食べ物や薬としてのハチミツの価値は古代から知られていました。現代でも、ハチミツは食用だけでなく、化粧品の中で収斂剤や保湿剤としても使われています。
今回はせっけんにしっとり感を仇えるためと、少しハチミツの甘い香りも期待して加えてみました。
(2)アロマオイル(精油)
1) 精油
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。
精油1kgを得るために、ラベンダーなら花穂を100~200kg、ローズなら花を3~5トン も必要とします。
大量の原料植物から、ほんの少ししか採れない貴重なエッセンスです。
2)今回使用する精油
今回使用する精油は パルマローザと シダーウッド・バージニアです。
パルマローザは、ローズに含まれているゲラニオールが主成分で、ローズを思わせる花のような香りをもつ精油です。
しわの予防や老化防止、収斂作用などを期待して、フェイシャルマッサージやヘアマッサージなどによく用いられています。化粧品や香水の香料としてもよく使用されています。
シダーウッド・バージニアは樹木系の精油の中でも、特に深い森林の中にいるような、心を癒してくれる香りを持ちます。今回は、石けんに樹木のイメージを加えるためにブレンドしてみました。
(3)ハーブその他
1)今回使用した材料
今回色付けに使用するハーブなど
①ネトル
ネトルは、緑茶のような干し草の香りがするハーブのです。
日本では「西洋イラクサ」と呼ばれています。”デトックスハーブ”として知られています。ネトルに含まれている「ヒスタミン」という成分は花粉症などのアレルギー体質の方に効果的だとも言われています。
ネトルパウダーはそのネトルの葉を粉末にしたものです。緑色が鮮やかで、石けんや化粧品などの色付け用としても使用されています。
②桜の花びら(塩漬け)
桜餅や、桜茶、桜あんぱん。甘い餡などによく使用されている、少ししょっぱい桜の花の塩漬です。今回は春の桜餅をイメージして、石けんの飾りとして使用してみました。
2.使用する器具
①.ビーカー
材料を入れて計量したり、湯煎にかけるときに使用しますので、耐熱性のものであればビーカーでなくても構いません。大量に作る予定でないのなら、大きすぎない容器を選ぶようにしましょう。30mlと50mlぐらいが便利です。
②.計り
計量のために使います。料理用のもので兼用できます。
③.石けん型
あると整形に便利です。たくさん市販されています。お菓子用のものも使えます。
今回はお菓子用の型を使用しました。
④.その他
ビニール袋 ラップ など
3.新緑色のハーブせっけんの作り方
新緑色のハーブせっけん 1個分 150 g
材料
せっけん素地(手で練って形を作るせっけん) 150g
熱湯(精製水) 20ml
精油
パルマローザ精油 2滴
シダーウッド・バージニア精油 1滴
ネトルパウダー 小さじ1、
桜の花の塩漬け 適宜
ハチミツ小さじ 1/2
ビーカー かくはん棒 ビニール袋(チャック付き) 型(お好みで) ラップ
作り方
①初めに桜の花の塩漬けを水に付けておきます。
精製水を温めます。
石鹸素地をはかり、チャック付きのビニール袋に入れます。
*おなじみ、手で練って形をつくるせっけん素地です。自分のせっけんを簡単につくることができます。
②チャック付きのビニール袋に入れた石鹸素地にネトルパウダーを入れます。
*ネトルの葉をパウダー状にしたものです。
ネトルは、イラクサ科、多年性で、若い葉から作るアストリンゼンは、フェイシャルスチーム、入浴、ヘア用の化粧水になる"
とハーブ事典/レスリー・ブレムネス著に記載されています。
③温めた精製水を2〜3回にわけて加え、チャックをしめて、よく練り合わせ、はちみつ、精油を加えてさらに練り合わせます。
*精製水は、不純物が少ない純度の高い水として、薬局で手に入ります。
ハチミツは、ミツバチが花の蜜を集め、巣の中で貯蔵するなかで生成されたものです。
パルマローザ精油は、イネ科、葉から抽出され、
エッセンシャルオイル&ハーブウォーター375/ジニー・ローズ著には、
"スキンケアでは、どんなブレンドにも使用することができ、とても甘いローズに似たゼラニウム様の匂いがするため、石鹸や化粧水に加える素晴らしい香りのひとつになる”
と記載されています。
少し木の香りも加えようと木部からのシダーウッド・バージニア精油をつかいました。
④チャック付きのビニール袋から取り出して形を整えてしばらく乾燥させます。
*水につけておいた桜の花の塩漬けを取り出し水気をとり、つけてみました。春らしい感じになりました。
4.手練り石けんを作る上でのポイント
(1)加える精油の分量について
精油(エッセンシャルオイル)は植物の成分を濃縮しているため、皮膚に使用する際は、原液では刺激が強いため、植物湯などで希釈して(薄めて)して使用することが大切です。
いい香りだからだと、多く入れるぎてしまうとその刺激で体に悪影響が出てしまうことがあります。
個人差や使用法によりその刺激の程度は様々ですが、日本アロマ環境協会では、多くても全体の1%(顔など皮膚の薄い場所の場合は(0.5%)程度を目安として推奨しています。
通常の精油瓶には口にドロッパーが付いていて、精油が適量しか出ないようになっています。精油瓶をゆっくり傾けていくとポトッと1滴落ちますが、その分量はだいたい0.05mlです。
例えば全体量50mlに対して希釈濃度を約1%にするにはどうしたらよいでしょうか。
全体量50mlに対しての1%は
50ml×0.01=0.5ml
です。この算出した量を0.05ml(1滴)で割ると
0.5ml ÷ 0.05ml = 10滴
になります。
*精油瓶にドロッパーが付いていない場合はミニスポイトなどを使用します。ミニスポイト1滴はドロッパー1滴の約半分です。
今回使用する量
今回は、パルマローザ、シダーウッド・バージニア合わせて3滴使用しています。本来せっけんの量は150gなのでもっと加えることが可能ですが、洗顔などに使用することも考慮して、少なめのこの量にしています。
(2)精油を加える時のポイント
精油瓶はゆっくり傾けてポトッと1滴落とすのがポイントです。粘性の高い精油の場合は特に落ちにくいので、じっくり待つことが必要ですが、それでも落ちない時は精油瓶の底をポンポンと指で叩いてみると良いでしょう。
慌てて瓶を振ってだそうとすると、どっとでてしまうことがあるので注意しましょう。