アロマ手作り:セロリシードのトリートメントオイルをつくる。
セロリシード精油、オレンジ・スイート製油、アプリコットカーネル油、スイートアーモンド油をつかう。
野菜としておなじみのセロリですが、薬やハーブとして使用されてきた長い歴史があります。その精油は独特の強い香りを持ちますが、むくみを解消したり、色素沈着を押さえたりする作用が知られており、トリートメントにはおすすめの精油です。
アロマ手作り:セロリシードのトリートメントオイルをつくる。
目次
1.トリートメントオイル作りに必要な材料
(1)植物油
(2)精油
2.使用する器具
3.基本のトリートメントの作り方
4.トリートメントを作る上でのポイント
1.トリートメントオイル作りに必要な材料
アロマテラピー(芳香療法)では、精油(アロマオイル)を使ってマッサージをすることを トリートメントといいます。精油はそのままでは濃すぎて使えないので植物油で薄めて使います。
植物油は植物の種子などより抽出された天然の油脂で、トリートメントオイルのベースとなるものです。精油は植物の香りの成分を抽出した天然の物質です。様々な植物から抽出されており、ブレンドすることも可能です。自分だけのお好みの香りを作ることができます。
(1)植物油
1)植物油とは
キャリアオイル、ベースオイルなどとも呼ばれるものです。精油が親油性で皮膚への浸透性が高いことから、トリートメントオイルやクリームなどを作る際に使用されます。
植物油には様々な種類があります。代表的なものには、スイートアーモンド油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油などがあります。
市販されている植物油は「精製されたもの(クリア)」と「未精製のもの(ゴールデン)」があります。
クリアは色や香りがあまりなくクセがないため、誰にでも使いやすいのが特徴です。
それに対してゴールデンは、色や香りがありクリアに比べて粘性も強く、ホホバ本来の栄養価が損なわれずに含まれています。それぞれの特徴や性質を理解して用いましょう。
2)今回使用する植物油
今回使用する植物油は、アプリコット油とスイートアーモンド油です。
○スイートアーモンド油
スイートアーモンドの種子から採れるオイルです。アーモンドの木は中東原産で、現在は地中海沿岸の国々やカリフォルニアの恵まれた暖かい気候の中で栽培されています。この木は古代の木で、何千年もの間栽培されてきました。
スイートアーモントオイルは、薄黄色でわずかに粘性が有りあります。オレイン酸を80%も含む栄養価の高さとサラリとした使用感で、サロンなどで最も頻繁に使用されています。
○アプリコットカーネル油
アプリコット油はアプリコット(西洋杏(アンズ))の種子の仁から採油されるオイルです。アンズの種子の仁は杏仁(アンニン)として中華料理の食材としてもよく知られています。漢方薬としても使用されています。
サラサラした質感ですべりが良く、また肌によいオレイン酸やビタミン成分をたっぷり含んでいるため美容液としても使用されています。
(2)精油(アロマオイル)
美容オイル(スキンケアオイル)を作る目的や自分の好みにあわせて、精油(アロマオイル)を選びます。
-
-
1).精油
-
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。
-
精油1kgを得るために、ラベンダーなら花穂を100~200kg、ローズなら花を3~5トンも必要とします。
大量の原料植物から、ほんの少ししか採れない貴重なエッセンスです。
-
2).今回使用する精油
今回使用の精油は、セロリシード、オレンジ・スイートの2精油です。
セロリシードは野生種のセロリの種子から採れる精油です。
セロリは、薬やハーブとして使用されてきた長い歴史があり、現在のように食用となったのは17世紀のイタリアからだと言われています。
その精油は独特の強い香りを持ちますが、むくみを解消したり、色素沈着を押さえたりする作用が知られており、トリートメントにはおすすめの精油です。
①.セロリシード
野生種のセロリの種子から採油される精油です。食用のセロリの独特なにおいをさらに凝縮したようなスパイシーなとても強い香りが特徴です。整腸作用や消化促進作用のほか、むくみを解消させたり、色素沈着を防いだりする効果が知られています。
②.オレンジ・スイート
スイートオレンジの果皮から採れる精油です。甘い暖かい柑橘系の香りで、お子様からお年寄りまで万人に好まれる香りです。お部屋のリフレッシュからお休み前のリラックスまでいろいろな場面で使用できます。今回は香りにさわやかさを加えるためブレンドしました。
2.使用する器具
-
-
1.ビーカー
-
植物油を入れて量る時に使用しますので、目盛りがついていればビーカーでなくても構いません。大量に作る予定でないのなら、大きすぎない容器を選ぶようにしましょう。30mlと50mlぐらいが便利です。
-
-
2.攪拌(かくはん)用のガラス棒
-
溶けた材料を混ぜるときに使用します。こちらも耐熱性のものが好ましいですが、使い捨てでいいのなら竹串や割りばしでも構いません。
3.トリートメントの作り方
・材料
植物油
アプリコットカーネル油 20ml
スイートアーモンド油 5ml
精油
セロリシード 3滴
オレンジスイート 3滴
容器 ビーカー かくはん棒
•作り方
①アプリコットカーネル油とスイートアーモンド油をビーカーに入れます。
*アプリコットカーネル油(オイル)は、別名が杏仁油で抽出部位が仁。アンズの種子の中にある仁を取り出しものです。スイートアーモンド油(オイル)は、別名が甘扁桃油で抽出部位は同じくスイートアーモンドの種子の仁です。今回はどちらも精製したものを使います。あつかいやすいので普段使っています。
②セロリシード精油、オレンジ・スイート精油を入れて攪拌棒でかき混ぜます。
*セロリは、ヨーロッパ原産です。精油は主にインドで生産されていて種子を水蒸気蒸留法で抽出したものです。、
エッセンシャルオイル&ハーブウォーター375/ジニー・ローズ著には、”強壮作用、鎮静作用、リンパの流れを良くする。”と記載されています。今回は他に甘く爽やかな香りのオレンジ・スイート精油を加えました。
③保存ビンに入れて日付けなどを書いたラベルを貼ります。
*爽やかで甘い感じもあるセロリシード精油にさらに甘く爽やかな感じのオレンジ・スイート精油を加えました。手や足に塗り、トリートメントします。
4.トリートメントオイルを作る上でのポイント
(1)加える精油の分量について
精油(エッセンシャルオイル)は植物の成分を濃縮しているため、皮膚に使用する際は、原液では刺激が強いため、植物湯などで希釈して(薄めて)して使用することが大切です。いい香りだからだと、多く入れるぎてしまうとその刺激で体に悪影響が出てしまうことがあります。個人差や使用法によりその刺激の程度は様々ですが、日本アロマ環境協会では、多くても全体の1%(顔など皮膚の薄い場所の場合は(0.5%)程度を目安として推奨しています。
ただしこの濃度はあくまでもガイドラインです。個人の肌タイプ、使用時の体調、使用部位や時間帯などに応じて変化します。最初に使用する方、特に顔などの敏感な部分に使用する場合は、さらに低い濃度で使用してみるのをオススメしています。
(2)精油の滴数の計算方法
通常の精油瓶には口にドロッパーが付いていて、精油が適量しか出ないようになっています。精油瓶をゆっくり傾けていくとポトッと1滴落ちますが、その分量はだいたい0.05mlです。
例えば植物油50mlに対して希釈濃度を約1%にするにはどうしたらよいでしょうか。
植物油50mlに対しての1%は
50ml×0.01=0.5ml
です。この算出した量を0.05ml(1滴)で割ると
0.5ml ÷ 0.05ml = 10滴
になります。
作成量(基材量) 精油(1%) 精油(0.5%)
10ml 2滴 1滴
20ml 4滴 2滴
30ml 6滴 3滴
40ml 8滴 4滴
50ml 10滴 5滴
*精油瓶にドロッパーが付いていない場合はミニスポイトなどを使用します。ミニスポイト1滴はドロッパー1滴の約半分です。
・今回使用する量
今回はトリートメントオイル25mlに対して1%濃度として全体で5滴加えています。
(3)精油を加える時のポイント
精油瓶はゆっくり傾けてポトッと1滴落とすのがポイントです。粘性の高い精油の場合は特に落ちにくいので、じっくり待つことが必要ですが、それでも落ちない時は精油瓶の底をポンポンと指で叩いてみると良いでしょう。
慌てて瓶を振ってだそうとすると、どっとでてしまうことがあるので注意しましょう。
(4)バッチテストについて
精油は、使用する種類、使用する方の体質や体調によっては皮膚に合わない場合があります。敏感肌の方や初めてで不安な方はパッチテストをするとよいでしょう。やり方は作ったオイルなどを、前腕部の内側に少し塗って24時間〜48時間放置し、異常が起こらないかどうか確認する方法です。異常がみられた場合は中止し、大量の水で洗い流しててください。
(5)使用方法と保存方法
高温多湿を避け冷暗所(冷蔵庫)に保管し、なるべく早めに使い切りましょう。
保存期間の目安(日本アロマ環境協会アロマテラピー検定テキスト1級より)
・水が含まれるものはおよそ1〜2週間
・植物油などが中心のオイルやクリームは1ヶ月程度