1日の終わりのリラックス。トリートメントオイルをつくる。

マンダリン精油、クラリセージ精油、カモミール・ローマン精油をつかう。

 柑橘系の香りはどんな時でもよい気分になりますが、特に疲れがたまる今の時期は、気持よく感じます。今回は、マンダリン精油をつかったトリートメントオイルの紹介です。
 マンダリンは、中国南部が原産で、多くの地域に帰化していて、精油はマンダリンとよばれる、主にヨーロッパ原産のものと、タンジェリンとよばれる主にアメリカ原産のもので、ほとんど同じ用途で使用されていて、作用がリラックス作用、鎮静作用、催眠作用などとエッセンシャルオイル&ハーブウォーター375/ジニー・ローズ著に記載されています。
1日の終わりのリラックス。トリートメントオイルをつくる。

1日の終わりのリラックス。トリートメントオイルをつくる。


 

 目次

1.トリートメントオイル作りに必要な材料
(1)植物油
(2)精油
2.使用する器具
3.基本のトリートメントの作り方
4.トリートメントを作る上でのポイント

1.トリートメントオイル作りに必要な材料

 アロマテラピー(芳香療法)では、精油(アロマオイル)を使ってマッサージをすることを トリートメントといいます。精油はそのままでは濃すぎて使えないので植物油で薄めて使います。
 植物油は植物の種子などより抽出された天然の油脂で、トリートメントオイルのベースとなるものです。精油は植物の香りの成分を抽出した天然の物質です。様々な植物から抽出されており、ブレンドすることも可能です。自分だけのお好みの香りを作ることができます。
 

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 (1)植物油 

1)植物油とは
 キャリアオイル、ベースオイルなどとも呼ばれるものです。精油が親油性で皮膚への浸透性が高いことから、トリートメントオイルやクリームなどを作る際に使用されます。
 植物油には様々な種類があります。代表的なものには、スイートアーモンド油、オリーブ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油などがあります。
 
 市販されている植物油は「精製されたもの(クリア)」と「未精製のもの(ゴールデン)」があります。
 クリアは色や香りがあまりなくクセがないため、誰にでも使いやすいのが特徴です。
 それに対してゴールデンは、色や香りがありクリアに比べて粘性も強く、ホホバ本来の栄養価が損なわれずに含まれています。それぞれの特徴や性質を理解して用いましょう。
 
2)今回使用する植物油
 今回使用する植物油は、アプリコットカーネル油ホホバ油です。
 アプリコットの仁から抽出のアプリコットカーネル油は、強壮、滋養、保湿他多くの効用があり、ホホバの種子から抽出のホホバ油は、皮膚の保湿、活力回復、シワ予防他多くの効用があると植物オイル・ハンドブック/シャンタル&リオネル・クレルジョウ著に記載されています。
 
○アプリコットカーネル油
  アプリコット油はアプリコット(西洋杏(アンズ))の種子の仁から採油されるオイルです。アンズの種子の仁は杏仁(アンニン)として中華料理の食材としてもよく知られています。漢方薬としても使用されています。 
サラサラした質感ですべりが良く、また肌によいオレイン酸やビタミン成分をたっぷり含んでいるため美容液としても使用されています。
 
○ホホバ油
 多年生で皮のように固い葉をもつホホバの低木は、南カリフォルニア、アリゾナ、メキシコの砂漠地帯に自然生育しています。その種子から採油されるホホバオイルは油ではなく、金色の液体ワックスです。
 ホホバワックスは容易に酸化せず、熱に対する安定性に優れ腐敗しにくいことから保存期間が長く安定しているのが特徴です。
 市販されているホホバオイルには未精製のものと精製されたものの2タイプがあります。
未精製のものは栄養分を豊富に含んでいます。精製タイプはほぼ無色・無臭で使いやすいのが特徴です。今回は精製タイプを使用します。

(2)精油(アロマオイル)

 美容オイル(スキンケアオイル)を作る目的や自分の好みにあわせて、精油(アロマオイル)を選びます。
  

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  • 1).精油

  •  精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。

  •  精油1kgを得るために、ラベンダーなら花穂を100~200kg、ローズなら花を3~5トンも必要とします。

    大量の原料植物から、ほんの少ししか採れない貴重なエッセンスです。

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 2).今回使用する精油
 今回はマンダリン精油他クラリセージ精油、カモミール・ローマン精油を加えました。主にリラックス作用がある精油選んで加えました。作ったあと、すぐに眠くなり、うとうとしてしまいました。

①.マンダリン

  柑橘系の精油の中では香りも作用も穏やかな精油です。甘くフルーティーな香りは、消化を促進し、落ち込んだ気分を向上させてくれます。柑橘系の精油の中でも光毒性が非常に低いことで知られており、そのためフランスでは、安心して使える精油として「子供の精油」と呼ばれることもあります。
 

②.クラリセージ

 甘く温かみのある、心地よい香りの精油です。緊張や不安をやわらげ気分をを明るくしてくれます。女性ホルモンのバランスをととのえてくれる精油としても知られています。
 

③.カモミール・ローマン

  青リンゴを思わせる甘酸っぱい香りの精油です。カモミール・ジャーマンより、香りにさわやかな強さがあるのが特徴です。鎮静効果や消炎作用をもつエステル類を主成分としていて、落ち込んでいる時などの気分転換におすすめです。

2.使用する器具

 

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  • 1.ビーカー 

  •   植物油を入れて量る時に使用しますので、目盛りがついていればビーカーでなくても構いません。大量に作る予定でないのなら、大きすぎない容器を選ぶようにしましょう。30mlと50mlぐらいが便利です。

     

 

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  • 2.攪拌(かくはん)用のガラス棒

  •  溶けた材料を混ぜるときに使用します。こちらも耐熱性のものが好ましいですが、使い捨てでいいのなら竹串や割りばしでも構いません。

      

3.トリートメントの作り方

リラックストリートメントオイル(約25ml)


 

・材料

 
植物油
 アプリコットカーネル油 15ml
   ホホバ油  10ml
 
精油    
    マンダリン精油       3滴  
  クラリセージ精油        1滴 
  カモミール・ローマン精油  1滴 
 
 
容器 ビーカー かくはん棒
 

•作り方 

アプリコットカーネル油とホホバ油精製をビーカーに入れます。
 
精油をそれぞれ加えて撹拌棒でよくかき混ぜます。
 
保存容器に注ぎ早めにつかいます。  
 

・使い方

 入浴後、作製したトリートメントオイルを脚、腕、腹部他に、できるだけ心臓に向かう方向になでたり、少しやさしくもんだりします。
 

・使用後の感想

 使用したところ、マンダリンの香りが2種類のブレンドにより、より甘い香りになったように感じました。クラリセージは好みもありますが(ちょっと複雑な香りがします)、マンダリンの香りになじんで違和感がない感じでした。
 1日の終わりにトリートメントオイルをつかって簡単にリラックスできることができます。

4.トリートメントオイルを作る上でのポイント

(1)加える精油の分量について

 精油(エッセンシャルオイル)は植物の成分を濃縮しているため、皮膚に使用する際は、原液では刺激が強いため、植物湯などで希釈して(薄めて)して使用することが大切です。いい香りだからだと、多く入れるぎてしまうとその刺激で体に悪影響が出てしまうことがあります。個人差や使用法によりその刺激の程度は様々ですが、日本アロマ環境協会では、多くても全体の1%(顔など皮膚の薄い場所の場合は(0.5%)程度を目安として推奨しています。
 ただしこの濃度はあくまでもガイドラインです。個人の肌タイプ、使用時の体調、使用部位や時間帯などに応じて変化します。最初に使用する方、特に顔などの敏感な部分に使用する場合は、さらに低い濃度で使用してみるのをオススメしています。
 

(2)精油の滴数の計算方法

 通常の精油瓶には口にドロッパーが付いていて、精油が適量しか出ないようになっています。精油瓶をゆっくり傾けていくとポトッと1滴落ちますが、その分量はだいたい0.05mlです。
 例えば植物油50mlに対して希釈濃度を約1%にするにはどうしたらよいでしょうか。
 植物油50mlに対しての1%は
   50ml×0.01=0.5ml
   です。この算出した量を0.05ml(1滴)で割ると
   0.5ml ÷ 0.05ml =  10滴
 になります。
 
 作成量(基材量)      精油(1%)   精油(0.5%)
 
      10ml                                 2滴         1滴
  20ml                                 4滴         2滴
    30ml                                 6滴         3滴
      40ml                                 8滴         4滴
      50ml                               10滴         5滴
 
 
*精油瓶にドロッパーが付いていない場合はミニスポイトなどを使用します。ミニスポイト1滴はドロッパー1滴の約半分です。
 
 
今回使用する滴数
 今回は25mlなので、1回で使用する分は通常最大で5滴です。精油合わせて5使用しています。
 
 

(3)精油を加える時のポイント

 精油瓶はゆっくり傾けてポトッと1滴落とすのがポイントです。粘性の高い精油の場合は特に落ちにくいので、じっくり待つことが必要ですが、それでも落ちない時は精油瓶の底をポンポンと指で叩いてみると良いでしょう。
 慌てて瓶を振ってだそうとすると、どっとでてしまうことがあるので注意しましょう。
 

(4)バッチテストについて

  精油は、使用する種類、使用する方の体質や体調によっては皮膚に合わない場合があります。敏感肌の方や初めてで不安な方はパッチテストをするとよいでしょう。やり方は作ったオイルなどを、前腕部の内側に少し塗って24時間〜48時間放置し、異常が起こらないかどうか確認する方法です。異常がみられた場合は中止し、大量の水で洗い流しててください。
 

(5)使用方法と保存方法

 高温多湿を避け冷暗所(冷蔵庫)に保管し、なるべく早めに使い切りましょう。
 
 保存期間の目安(日本アロマ環境協会アロマテラピー検定テキスト1級より)
 ・水が含まれるものはおよそ1〜2週間
 ・植物油などが中心のオイルやクリームは1ヶ月程度
 

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