アロマテラピーの歴史
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アロマテラピーという言葉、概念は20世紀になって作られた比較的新しいものですが、ハーブや芳香植物、精油を用いることは、それよりずっと以前から行われてきたことであり、アロマテラピーの歴史はその大部分を医学や薬学と歩みをともにしてきました。
いってみれば、アロマテラピーを学ぶことは、古典医学のみならず、哲学や、思想、自然感といった人類の財産に触れることであり、その歴史を学ぶことは”アロマテラピーの魅力”に触れるためには非常に重要なことです。
下記に、植物、植物の香り(アロマテラピー)と人間の関係についての重要な事柄を列記しています。
━━━ 先史時代~古代にみるアロマテラピーの源流
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*ネアンデルタール人の埋葬に花
古代エジプト
*ミイラ作りに乳香(フランキンセンス)や没薬(ミルラ)が使われる。
*神殿で薫香が行われ、浸剤が作られる。
古代インド
*「リグ•ヴェーダ」にアーユルヴェーダの記述
旧約聖書
*シバの女王が、ソロモン王に乳香や白檀などを送る。
古代ギリシア
*ヒポクラテス(医学の父)の「ヒポクラテス全集」
*テオフラトス(植物学の祖)の「植物志」
*アレキサンダー大王、東方遠征。ヘレニズム文化が生まれる。
キリスト誕生から5世紀頃まで
新約聖書
*イエス•キリスト誕生、東方の三賢人(博士)が黄金、乳香、没薬を捧げる。
*イエス•キリストを葬る際、ナルドの香油(浸剤)をイエスの身体に塗る
古代ローマ(1~2)世紀
*プリニウス、「博物誌」を著す。
*皇帝ネロ、バラの香りを好む。
*ローマの公衆浴場で市民が香りを楽しむ。
*デイオスコリデス、「薬物志(マテリア•メデイカ)」を著す。
*ガレノスがコールドクリームを作る。
古代中国(2~5世紀)
*2~3世紀に最古の本草書、「神農本草経」がまとめられる。。
━━━中世から近世への香料・植物療法の発達
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中世のヨーロッパ、アラビア
* イブン•シーナ、芳香蒸留水を作り、「医学典範」を著す。
*薬草中心の僧院医学が行われる。
*南部イタリアのサレルノに医科大学が創設される。「サレルノ養生訓」
*十字軍の遠征と東西文化の交流。アラビア医学がヨーロッパへ伝わる。
大航海時代から近世産業革命へ
*大航海時代の幕開けと香辛料貿易
*16世紀のハーバリストの活躍
*ケルンの水と香水の始まり。
*17世紀の貴族達の香水の使用と、香料産業の発展
*19世紀の近代的な化学工業の始まりと合成香料
━━━アロマテラピーの登場と普及
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*アロマテラピーの命名。 ルネ•モーリス•ガットフォセ 1937年「Aromatherapie」著
*イタリアでのアロマテラピーの学術的研究:ジョバンニ•ガッテイー、レラート•カヨラ
*フランスの軍医ジャン•バルネの実践。1964年「AROMATHERAPIE」著
*1961年、マルグリット•モーリーが「Le capital 'Jeunesse'」(最も大切なもの•••若さ)を著す。ホリステイック•アロマテラピーの始まり。
*シャーリー•プライス、ロバート•デイスランドなどによるイギリスにおけるアロマテラピーの多彩な展開と大衆化。
*日本でのアロマテラピーの紹介。