アロマ手作り:モモのパック剤。

モモ、カオリン、小麦胚芽油、ラベンダー精油をつかう。

 クレイ(鉱物を主原料とする粘土)をつかったパックは、アロマテラピーのセルフスキンケアとしてよく提案されます。
 アロマテラピー<芳香療法>の理論と実際/ロバート・ティスランド著/高林林太郎訳には普通肌のフェイシャルパックとしてモモ、小麦胚芽油、ラベンダー精油などが記載されています。今回はこちらを参考にパック剤つくります。
モモのパック剤

アロマで手作りするコスメ:モモのパック剤


 

 目次

1.アロマで手作りするコスメ(パック剤)に必要な材料
(1)クレイ
(2)モモ
(3)植物油
(4)精油
2.アロマで手作りするコスメ(パック剤)にする器具
3.アロマで手作りするコスメ(パック剤)の作り方
4.アロマで手作りするコスメ(パック剤)を作る上でのポイント
(1)加える精油の分量について
(2)精油を加える時のポイント
(3)クレイパックの使用方法と注意点 
5.その他アロマで手作りするコスメの記事

1.アロマで手作りするコスメ(パック剤)に必要な材料

クレイパックを作るために必要な材料は、ベースとなる クレイと練り合わせに使用する水や植物油です。お好みで香りづけとして 精油を加えます。
 
精油は植物の香りの成分を抽出した天然の物質です。様々な植物から抽出されており、ブレンドすることも可能です。自分だけのお好みの香りを作ることができます。
 

(1)クレイ

1)クレイについて
 クレイとは、岩石が長い年月をかけて風化や変性を繰り返してできた、鉱物を含んだ土(粘土)のことです。カオリン、モンモリオナイトなどいろいろな種類があり、フランスをはじめ世界各地で採取されています。
 クレイの主成分はミネラルです。そして、ケイ土、鉄、酵素、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などで構成されています。これらの成分が体の新陳代謝を促し、体内に蓄積されたう有害物質や老廃物を排泄します。フェイスパックで使用すれば、余分な皮脂や毛穴の汚れを吸着させて取り除く効果があります。微細な泥粒子が毛穴の奥まで浸透するから、洗顔では落としきれない汚れもすっきりと落とすことができます。
  また、化学成分を使っていない天然成分からできており、アレルギーや肌荒れしやすい敏感肌の人でも安心して使えます。
 
2)クレイの効果
・ 美容効果
 様々な種類があるクレイパック。すべてに共通していえるのが、吸収・吸着力の高さです。毛穴の汚れをしっかりと吸い取ってくれるため、小鼻の黒ずみ改善にもおすすめです。また、体内から悪いものを吸い出すデトックス効果も期待できます。
 
・健康効果
 毒素を吸い出すデトックス効果のほか、イオン調整の作用もあると言われています。クレイパックの本場ヨーロッパでは、その作用を活用して治癒目的に使うクレイセラピーが行われています。
 
3)今回使用するクレイ
 今回使用するクレイはカオリンです。カオリンの主成分はカオリナイトという粘土鉱物です。その名は中国の有名な粘土の産地である江西省景徳鎮付近の高嶺に由来しています。
 カオリンは、柔らかな天然のクレイです。 白から濃褐色まで様々な色があります。
 

(2)モモ

 通常パック剤の練り合わせに使用する水には精製水を使用しますが、今回はモモの水分を使用します。
 野菜や果物をクレイパックに用いると水分があるので水を使わなくてよく、そのまま植物の水分を使用することができます。今回は、当サイトが所有する蔵王の農園の近所の直売所で購入したモモがあったので使用してみました。水分が多いため使いやすい素材です。
 モモは夏が旬で、当サイトの農園の周辺でもたくさん栽培されています。モモは中国が発祥の果物で、江戸時代に日本でも食用として本格的に栽培が始まりました。モモは甘くジューシーで果物ではイチゴについで2番目の人気です。
 モモにはペクチンという栄養素がとても多く入っています。
ペクチンは食物繊維の一種で、腸の働きを活発にしたり善玉菌を増やしたりして、便秘や下痢を解消してくれる効果があります。他には主に、カリウムやビタミンC、ビタミンEも含まれています。どちらも美肌には重要な成分です。
 アロマテラピー<芳香療法>の理論と実際/ロバート・ティスランド著/高山林太郎訳には、乾性肌のパックの基剤として記載されています。
 

(3)植物油

  小麦胚芽油は、小麦の胚芽から抽出されるオイルです。パック剤をしっとりとさせるように加えてみました。
アロマテラピー<芳香療法>の理論と実際/ロバート・ティスランド著/高山林太郎訳には、乾性肌または壮年期の肌の場合には、混合基剤に少量の小麦胚芽油を用いると記載されています。
 
①.小麦胚芽オイル
 小麦胚芽油は小麦の胚芽から抽出されるオイルで、ビタミンEを豊富に含んでいることで有名です。粘性が強く使用感が重いため。通常は他の植物油にブレンドして使用されます。
 キャリアオイル事典(レン・プライス/シャーリー・プライス著)にも、豊富な脂溶性ビタミンが乾燥肌の回復に大変有効であると記載されています。

(4)精油(アロマオイル)

 パック」剤を作る目的や自分の好みにあわせて、精油(アロマオイル)を選びます。
  

 
1)精油
 精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。
 精油1kgを得るために、ラベンダーなら花穂を100~200kg、ローズなら花を3~5トン も必要とします。
大量の原料植物から、ほんの少ししか採れない貴重なエッセンスです。
 
2)今回使用する精油
 今回使用する精油は ラベンダーです。
 ラベンダーはヨーロッパ原産のシソ科の低木で、リラックスのハーブとしてよく知られています。
  アロマテラピー<芳香療法>の理論と実際/ロバート・ティスランド著/高山林太郎訳には、ラベンダーは普通肌の他脂性肌にと記載されています。

①.ラベンダー

  ラベンダー精油はリラックの精油としてよく知られています。その主成分はリナロールや酢酸リナリルなどでアロマテラピーの原点ともされる精油です。リラックスの香りとしてよく知られていますが、日焼けによる炎症を鎮めるなどスキンケアにも使用されています。  

2.使用する器具

 

 
1).ビーカー 
  植物油を入れて量る時に使用しますので、目盛りがついていればビーカーでなくても構いません。大量に作る予定でないのなら、大きすぎない容器を選ぶようにしましょう。30mlと50mlぐらいが便利です。
   
2).攪拌(かくはん)用のガラス棒
 溶けた材料を混ぜるときに使用します。こちらも耐熱性のものが好ましいですが、使い捨てでいいのなら竹串や割りばしでも構いません。
  
3).乳鉢、乳棒
 クレイをすりつぶしねりあわせるときに使用します。世界各地で古代から使われており、食品の加工や調剤・実験器具として用いられています。

2.クレイパックの作り方

 

 
材料 (1回分)
カオリン           大さじ 1
モモ             小さじ  1
小麦胚芽油           微量
精油
  ラベンダー        1滴
 
 
作り方
カオリンをはかり、容器に入れます。
 
*カオリンはクレイといわれます。クレイは吸収、吸着、収れん、洗浄作用などがあり、パック剤などに用いられます。扱いやすいのでよく利用します。
 
皮をむいたモモをはかり、乳鉢などに入れて乳棒で押しつぶします。
 
*蔵王の直売所で購入したモモです。きれいな赤い果肉はほんの少しだけつかうので、あとはほとんど食べました。おいしかったです。
 
カオリンに押しつぶしたモモを加え、さらに小麦胚芽油を加えます。
 
*小麦胚芽油は上記の書には、普通肌の他、乾燥肌、壮年肌と記載されています。0.025ml(スポイトで)加えました。少量なので独特の香りや色はあまり感じないようです。
*クレイの種類や季節の違いで適切なクレイの量、水分量が変わるため、その都度量を微調整します。
  
④ラベンダー精油を加えて全体をよく混ぜ合わせます。
 

・使い方

 口や目の周りをさけて顔全体にぬり、少し乾いてきたらぬるま湯で洗い流しその後は化粧水で皮膚を整えます。
 
 
・使用後の感想
 使用してみたところ、小麦胚芽油を微量加えましたので、しっとりした感じが残りました。ラベンダー精油を加えたところ、モモの香りはやはりあまり感じなくなり、残念でしたが、ラベンダーに甘い感じが加わったようでした。

4.パック剤を作る上でのポイント

(1)加える精油の分量について

 精油(エッセンシャルオイル)は植物の成分を濃縮しているため、皮膚に使用する際は、原液では刺激が強いため、植物湯などで希釈して(薄めて)して使用することが大切です。いい香りだからだと、多く入れるぎてしまうとその刺激で体に悪影響が出てしまうことがあります。個人差や使用法によりその刺激の程度は様々ですが、日本アロマ環境協会では、多くても全体の1%(顔など皮膚の薄い場所の場合は(0.5%)程度を目安として推奨しています。
 通常の精油瓶には口にドロッパーが付いていて、精油が適量しか出ないようになっています。精油瓶をゆっくり傾けていくとポトッと1滴落ちますが、その分量はだいたい0.05mlです。
 例えば植物油50mlに対して希釈濃度を約1%にするにはどうしたらよいでしょうか。
 植物油50mlに対しての1%は
   50ml×0.01=0.5ml
   です。この算出した量を0.05ml(1滴)で割ると
   0.5ml ÷ 0.05ml =  10滴
 になります。
 
*精油瓶にドロッパーが付いていない場合はミニスポイトなどを使用します。ミニスポイト1滴はドロッパー1滴の約半分です。
 
今回の使用量
 パック剤は、肌が敏感である顔に使用するため精油の使用には注意が必要です。今回はお試しとして1滴加えています。
 
 

(2)精油を加える時のポイント

 精油瓶はゆっくり傾けてポトッと1滴落とすのがポイントです。粘性の高い精油の場合は特に落ちにくいので、じっくり待つことが必要ですが、それでも落ちない時は精油瓶の底をポンポンと指で叩いてみると良いでしょう。
 慌てて瓶を振ってだそうとすると、どっとでてしまうことがあるので注意しましょう。
 

3)クレイパックの使用方法と注意点

使用方法 
・目や眉毛、口のまわりを避け、顔の中心から外側に向かって、指の腹でやさしく顔全体に押し拡げようにして、肌が隠れる程度の厚さに塗ります。
 
・顔に塗ったクレイの端部分が少し乾き始めたら、ぬるま湯でやさしく洗い流します。
 
・洗い流した後は、必ず化粧水などで肌を整えましょう。
  
注意点
 ・作ったら、なるべく早く使いましょう。保存しての使用はやめましょう。

・クレイパックは洗顔後の清潔な肌に行ってください。
 
・乾きすぎると、洗い流すときに肌に負担がかかるので注意しましょう。
 
・皮膚に異変や違和感を感じたら、すぐに洗い流してください。
 

(4)バッチテストについて

  精油は、使用する種類、使用する方の体質や体調によっては皮膚に合わない場合があります。敏感肌の方や初めてで不安な方はパッチテストをするとよいでしょう。やり方は作ったオイルなどを、前腕部の内側に少し塗って24時間〜48時間放置し、異常が起こらないかどうか確認する方法です。異常がみられた場合は中止し、大量の水で洗い流しててください。

5.その他手作りコスメの記事

 
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